Zelmは2019年の春、Zelmが「自分のペースで、自分が面白いと思う写真だけ撮りたい」という単純な理由で始めたスタジオです。それまでは東京の広告制作会社「ライトハウス・クリエイティブ」でプロダクト撮影を担当していましたが、毎回同じライティングセットを組んで、同じ角度で撮る仕事に少し疲れていました。独立してすぐは収入が安定せず、近所のカフェのメニュー写真を格安で引き受けながら少しずつ口コミを広げていきました。
一番いい光は、誰も気にしていない午後3時にある。Zelm Pix Zone
最初の転機は2020年の秋です。知人の紹介で地域の音楽フェスティバルの記録撮影を担当したとき、ステージではなく観客の顔を撮り続けた写真が主催者に気に入られ、翌年のポスターに使われました。「人の表情を撮るのが好きなんだ」と改めて気づいたのはそのときです。それ以来、ポートレートとイベント撮影を軸に、月8件という上限を自分に課しながら仕事を続けています。
いまは個人のポートレートから家族写真、地域フェスティバルの記録まで幅広く受けています。グラフィックデザイナーの田中ミカと組んで写真集のレイアウトを手がけたり、映像作家の佐々木ケンとショートフィルムの静止画を担当したりと、写真単体にとどまらない仕事も増えてきました。機材はSONY α7IVをメインに、サブでLeica M6(フィルム)を持ち歩いています。フィルムで撮った一本は現像に出して、自分用のアーカイブにしています。